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3. モノを守る(動産総合保険)
壊したら、誰が払う?
今回のイベントで使う機材を見てみましょう。
- LEDビジョン(158インチ × 2枚): 数百万円〜数千万円級
- 音響・照明機材: 予算100万円相当
もし、設営中に風にあおられてLEDビジョンが倒れ、画面が割れたらどうなりますか? レンタル業者との契約書を見てください。 「賃借人の過失による破損は、全額賃借人が負担する」 と書いてありませんか?
書いてあれば、あなたが数百万を弁償することになります。 それを防ぐのが# 第3章:モノを守る(動産総合保険)
「機材」は壊れるし、盗まれる
今回のイベントで最も高額なリスク、それは 158インチ × 2枚のLEDビジョン です。 もし設営中に強風で倒れて画面が割れたら? もし夜間警備の隙を突かれて、音響卓が盗まれたら?
数百万〜一千万円クラスの損害が一瞬で発生します。
意外な落とし穴:レンタル業者の「補償制度」
多くのレンタル業者は、独自の「安心補償パック」のような制度を持っています(レンタル料+10%程度)。 しかし、これには 重大な罠 があります。
確認すべき3つのポイント
- 免責金額(自己負担額)はいくらか?
- 「修理費の50%は負担してください」という契約も多いです。LEDパネルの修理費が200万円なら、100万円は自腹です。
- 「置き去り(紛失)」は対象外
- 盗難(警察への届け出あり)は補償されても、「目を離した隙になくなった(紛失)」は補償されないことが一般的です。
- 「屋外使用」の免責
- 雨天決行の屋外イベントの場合、水濡れによる故障が免責(対象外)になるケースがあります。
主催者が入るべき「受託者賠償責任保険」
レンタル業者の補償だけでは不安な場合、または業者が保険に入っていない場合、主催者自身で 「受託者賠償責任保険」(または動産総合保険の特約)に入ります。
- 対象:主催者が「借りて(受託して)」管理している物品。
- 補償:火災、盗難、破損など。
- 保険料目安:補償額500万円で、数千円〜1万円程度。
LEDビジョンの破損リスク LEDビジョンは「ドット欠け」程度なら数万円ですが、パネルごとの交換や制御基板のショートとなると高額になります。 「業者の保険でカバーされているか」を契約前に必ず書面で確認してください。 もし「破損時は全額主催者負担」という契約なら、絶対に 受託者賠償保険に入ってください。
アクションリスト
- 機材リスト(LED、音響、発電機)と「時価総額」をリストアップする。
- レンタル契約書の「損害賠償」の欄を熟読する。
- 業者に**「もし風で倒れて全損したら、私はいくら払う必要がありますか?」** とストレートに聞く。
- その金額が払えないなら、保険代理店に「受託者賠償」の見積もりを頼む。今の価値)
カバーされる事故の例
- 設営中に落として壊した。
- 突風で機材が倒れて壊れた。
- 夜間に盗難にあった(※保管状況による)。
- 火災で燃えてしまった。
免責金額(じこふたん)
「修理費が1万円なら自分で払うけど、100万円なら保険で払いたい」 という場合、「免責金額 1万円」などで設定すると保険料が安くなります。 予算(10万円)が厳しい場合、ここを調整して節約することができます。
アクション
- 映像機器、音響機器などのレンタル業者に 「破損時の補償制度はあるか」 を聞く。
- 「ない(全額弁償)」と言われたら、保険代理店に 「高額なレンタル機材があるので動産保険(または受託者賠償)をかけたい」 と相談する。
参考文献 (References)
- イベント保険パンフレット (動産/賠償): 東京海上日動 (デジタルカタログ)